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「自分らしくいられる」場所に住む。全国どこでもOKな居住制度ができたウラ側

こんにちは。広報の山縣です。
今回はRELATIONSの「遠隔地居住制度」についてご紹介します。

皆さんは、いま住んでいる場所をどのように決めましたか?
いろいろな要素がありますが、通勤のしやすさなど、少なからず仕事のことを考慮して住む場所を決めたのではないかと思います。もし職場に関係なく居住地が選択できるのならば、別の選択をするのにな、と思っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか?
「本当は慣れ親しんだ地元に住みたい」
「将来は好きな地方に移住したい」
「パートナーの希望もあり、実家の近くで子育てをしたい」などなど。
(私も、妻の仕事に影響しないならば、妻の実家がある地方に住んでも良かったな〜と思っている一人です。)
とはいえ、職場の近くからはなかなか離れられないのが現実ではないかと思います。都会が良い、地方が良いというのは人それぞれ価値観やタイミングによって異なりますが、大事なのは一人ひとりが幅広い選択肢から選べることかもしれません。

RELATIONSでは、社員一人ひとりが「ありのままで、自分らしくいられる」ことがいきいきとした働き方につながり、顧客をはじめあらゆるステークホルダーにプラスの影響を与えると捉えています。
会社に制限されず、その人らしくいられる場所に住んでほしい。そんな想いから、全国どこでも居住可能な「遠隔地居住制度」は作られました。
どこで仕事するの?交通費の負担は?メンバー同士で顔を合わせる機会はないの?組織の一体感が薄れない?などなど、心配に思われる点も多いこの制度。代表の長谷川も、制度開始前にこんな懸念をしていました。

制度への恐れがある。リモートワークのみになり、オフィスで顔を合わせることがなくなることは、会社組織の土壌を整えるということとは真逆の意思決定にも見える。また、個人のことを会社がどこまで負担すべきなのかという点は悩ましい。

今回はそんな「遠隔地居住制度」が、懸念を乗り越えてスタートしたプロセスや運用してみてのリアルを紹介してまいります。

制度概要

まず、制度の概要はこちら。(2024年3月時点)

・居住は国内全域が対象
・出張を伴う業務(顧客への訪問など)に支障をきたさないことが前提
・月1回の全社会議など、オフラインでのMTG実施の際は出社が必須
・交通費支給額:月上限税込15万円(前後泊時の宿泊費含む)
※超過分は自己負担

つまり、「業務やオフラインの社内ミーティングについて、他のメンバー同様に参加できるのであれば、遠方に住むことによってかかる交通費は一定額まで支給する」という制度です。
もともとは東京にあるオフィスへの出社が基本ではありましたが、新型コロナの流行以降は出社を原則としないフルリモートワークとしていました。
新型コロナ流行中はリアルの社内ミーティングはほとんどなく、顧客が地方にも多くいることから、実際に福岡に住んでいたメンバーもいたほど。
そんな中、「遠隔地居住ができる制度を作りたい」と何名かの声があがり、2021年の秋頃からこの制度が検討されるようになりました。

制度策定までの対話

実際に「制度を作りたい」「遠隔地居住をしたい」というメンバーからは、この制度に対して以下のような期待の声が挙げられました。

●家族との時間をもっと豊かにできる!
●どこに住むか、だれと一緒にいるかを自由に選択できるのは個人の「らしさ」の追求であり、良い会社につながると思う。
●ゆくゆくは親の近くに住みたいという希望がある。そこをケアしてもらえるというのは良い会社だな。
●地方の顧客からも「地元にいる」「すぐに対応してくれる」ということで安心、信頼してもらえるのではないか。

一方で制度に対する心配の声も少なからずありました。

●会社に集まりづらくなり、社内の関係性が希薄にならないか。
●補助が手厚いことについて、近距離に住む人に不公平感が生まれないか
●全員が使ったとして制度が維持できるか。個人のことを会社がどこまで負担するのか。

制度を作りたい人、制度があっても使う予定のない人、社内の関係性への影響が心配な人…生々しい議論や懸念点がさまざまありましたが、「ここに関心のある当事者が考え、答えを出す」という会社としての軸のもと、当事者を中心に制度を形作っていきました。

【補足】 RELATIONSでは個人の内側から湧いてくる「やりたい」という熱量を大事にしています。会社のあらゆる業務やこういった制度づくり等のプロジェクトに関しても、手を挙げた人がアサインされ、中心になって進められるようになっています。反対に、自分が熱量を持てなかったり、優先順位が低いような業務については積極的に見直し、可能であればアンアサインすることが推奨されています。

制度を考える上で、第一義に置かれたのは「らしさの追求」
「どこで過ごすか」「誰と過ごすか」は人生の幸福度において高い影響力を持つ要素であり、その人らしい生き方ができることが、仕事での価値発揮にもつながる。そこを支援するRELATIONSは、社員の家族やつながりのあるコミュニティにもインパクトを与えられる会社になる、と代表は考えました。

また、懸念点のうち「関係性が希薄になるのでは」「不公平感をどう担保するか」といった論点については、これはこれで別の論点として、ここに明確な課題感がでてきたら当事者で解消の動きをとる、という結論になりました。
代表の長谷川も「年数回の合宿や、オフラインでの全社会議への参加を担保さえできれば、挑戦してみてもよいと思った」とのこと。

【補足】 RELATIONSではよく、「リーンにやったらええやん」というフレーズを使います。 これには、「まずはやってみよう!」というメッセージが込められています。前提として、あらゆる制度は一長一短であり、すべての個別事象にピタリとはまるものは存在しないという考えをしているためです。今回の遠隔地居住制度においても、検討当時は様々な論点が出て議論が行き詰まりそうになりながらも、まずはやってみようの精神で進められていきました。

こうして制度案が示され、社員からの質問・反論を2週間ほど受け付けたのち、上述の内容以外に明確な反論はなく、制度運用がスタートしました。

実際に運用してみて

遠隔地居住制度の利用をしている社員は全体の13%。制度利用のきっかけは、奥さんの実家近くで子育てしたい、単身赴任を解消したい、地元の友人関係を大切にしたいなどさまざま。彼らからは、以下のような声が挙がっています。

▽良かったと思うことはなんですか?

●出張が多く1人になりがちだった妻と子供が、実家が近くなり精神的にも助かってます!
●家族や学生時代の友人関係と会う機会がかなり増え、身近な人たちをより大切にできるようになっています。
●家族との時間が増えたことですかね。公私のバランスが良くなり、一緒に寝てる時、ご飯食べている時、公園でサッカーしている時など、いま幸せだなーと思う瞬間が増えました。
●顧客に会社紹介するときにこの制度に触れると、「そんなことできるの?」と話のフックになる。

▽う〜ん、と思うことはありますか?

●不満ではないけど、同僚との偶発的な対面コミュニケーションが圧倒的に減りますね。
●顧客訪問や会議のために東京へ行くなど、当然、移動に費やす時間は増えたので大変です。

やはり大切な家族や友人との時間が増えたことへの喜びが多いですね。利用者の普段の話を聞いていても、このあたりの充実感は伝わるものがあるので、何にも代えがたい良さだなと感じます。

終わりに

遠隔地居住制度がスタートし2年近く経ちますが、社内でもかなり馴染んでいる感覚があります。年に数回の合宿や、毎月の全社会議等で顔を合わせて話す機会もあるので、今のところ、この制度があるからといって社内の関係性が薄れることはないように感じます。
一人ひとりの「その人らしい生き方」を追求することが「生命力あふれる会社」につながることを、この制度を利用していないメンバーも含めて実感できつつあるのではないでしょうか。

また、オフィス出社が前提だった頃から比べると、一つひとつの機会をいかに充実させることができるかに意識が向いてきました。例えば全社会議も「月に一度集まる数時間の中で、いかに質の高い対話ができるか、お互いが交流を深められるか」という視点で、「アジェンダたくさんあるけど、ゆるやかにお互いの近況報告ができる余白も作りたい…」など悩みながら、プログラムをアップデートし続けています。

もともと代表の長谷川は「自分としてはこの制度への想いは薄かったので、ここに想いのあるメンバーに制度づくりを主導してもらった」とのこと。
そして、主導メンバーの「より自分らしくいられる場所に住める制度を作ろう」「それが会社のパーパス実現にもつながるはず」という想いに動かされ、運用に至り、まさに定着してきたのだと思います。
自律分散型で組織運営をしているRELATIONSでは、課題感を感じる当事者が行動を起こし、答えを出していくのが原則。
会社の制度についてであっても、対話をしながら柔軟にアップデートをしていける文化があるのは弊社の特徴の一つですが、今回の遠隔地居住制度の策定はまさにそれを体現しているように思います。

他の社内制度についてはこちらもぜひ。

採用も行っています。RELATIONSで働いてみたい!と少しでも思われた方はぜひ。


(執筆:RELATIONS広報  山縣)