互いを承認し合える文化づくり。旅するように業務を体験する「RE:TRAVEL」とは?
こんにちは、RELATIONSの広報です。
複数の事業を抱える会社に所属していると、なかなか自分と関わりのない事業の実態は見えにくいことがあると思います。
RELATIONSでは、所属していないサークルを”旅するように体験する機会”を準備しています。
その名も「RE:TRAVEL(リ・トラベル)」。
(※ RELATIONSでは、ホラクラシー®という組織運営手法を採用しています。この記事ではサークルを”部署のようなもの”と捉えてください。)
本記事では、RE:TRAVELの実施の経緯と内容、そして体験者の声を拾いながら、具体的な効果について探ってみたいと思います。
サークル横断ツーリズム?体験を重視した旅プランを社内で企画
可視化されていない知見の共有、相互理解の文化醸成のため発足。
実はこのRE:TRAVELという企画が生まれた背景には、RELATIONSの事業構造や、社内文化が大きく影響しています。
まず、事業構造についてです。
RELATIONSの主軸の事業である「コスト最適化事業」は、一人ひとりのコンサルタントが担当顧客を持ち、個人で活動していることが多く、仲間のコンサルタントの活動や、自分が担当していない顧客の動きについては、深く理解することが難しい状況があります。可視化されていない知見を共有することが難しく、集合知が活用しにくい状態にありました。
次に、社内文化についてです。
RELATIONSでは、現在に至るまで様々な新規事業にトライしてきましたが、その中で「新規か既存か」「稼ぐ事業か・稼げていない事業か」など、事あるごとに2分し、2極化構造を作りながら進めてきてしまったという反省があります。ただ、”構造”がある以上、なかなか文化としてラベリングをなくすことは難しく、”どうすれば相互理解が進むか”ということに頭を悩ませてきました。
そんな状況を打破すべく、この企画を考えたのは、代表の長谷川でした。長谷川の第一の発想は”サークルを横断する”ということでした。その様子を”ツーリズム”に例えたところから、この企画ははじまります。
その後、企画の中心を担うことになった女性社員が、”顧客の事例を体験する”という意味合いで”トラベル”という概念を中心に据えて「RE:TRAVEL」という企画が立ち上がりました。
企画の中心を担う社員は、発足当時のことを、こう振り返ります。
新領域や担当外の顧客への理解、そして社内業務の裏側を知る
実際に募集・実施した旅は以下のようなものがあります。
ケース1 : 新しい領域である「組織開発」の現場を体験
上記の旅行先は、RELATIONSでも長年支援をさせていただいている顧客で、コストの見直しを行う中でコンサルタントが着目した組織課題に対し、解決に向けて向き合っています。
RELATIONSの社員の大半が、コスト改善を中心としたコンサルを行っていることもあり、新しい領域となる”組織開発”に関する体験は貴重なものとされ、あらゆるパターンの旅が企画されています。
ケース2: 仲間のコスト改善業務の裏側や、現場を知る
上記は、日頃、個別で活動することが多いコンサルタントたちの、見えないスキルの共有と、顧客に対する理解を深める目的で企画されました。
他の顧客への理解を進めることで、協働の可能性を探るということもねらいの一つでした。
ケース3:日頃の業務と関連性のある社内業務を体験する
実はコンサルタントと関わりが大きい社内の”請求書発行業務”。コンサルタントの所定の入力を反映させ、バックオフィスメンバーは速やかに請求書発行を行っています。
例えば「コンサルタントが入力を怠ったら、どんな影響があるのか…?」そんな相手のことを考えられるような体験はできないか、と企画されたのがこの旅でした。
上記は一例にすぎませんが、この他にも、初回の営業を体験する旅や、なかなか連携をとりづらい大規模組合の、横の連携を図る会合を体験する旅など、ニッチな旅も数多く生まれ、多くの社員が参加してきました。
目的意識を持って参加した社員の声
相互理解や、協働の可能性をさぐる目的で企画された旅は、毎回、多くの参加を希望する手が挙がりました。(顧客や現場の迷惑にならない範囲ということもあり、参加できる人数は若干名に絞って実施しています。)
実際に参加した社員は、具体的な目的をもって参加している場合が多いようです。以下は実際に【組織開発の現場を知る旅】に参加した社員の話です。
◯社員Aの話 : 自社のスキームがどの会社でも通用するのかを知る
◯社員Bの話:組織において第三者のコンサルが介入する意義を知る
その他にも、「自分のスキルを活かし試してみたい」と、自身の顧客ではない企業で、ミーティングの”ファシリテーション”を行う旅に参加した社員もおり、参加希望者は各々、明確な目的をもって参加しているようでした。
承認し合える文化づくりへの模索は、これからも続く
話を聞いていく中で、RE:TRAVELの今後の方向性について、多数の意見が聞こえてきました。
その中でも、注目したいのが「コンサルタント各自の工夫をもっと間近で見てみたい」という声。ともすると、各コンサルタントによって、やり方が固定されがちで、自分ひとりの活動では気づきを得にくい環境になっているコンサル業務。
企画の主担当者である社員も、”各自の得意なことや、目に見えないスキルまで、肌感覚で体感し気づきを得ること”を重要視し、1+1が2以上のものになるような、「お互いを承認し合える関係性」をつくりたいという強い想いでこの企画をスタートさせています。
一定の価値を発揮している本企画ですが、”果たして、この企画で本当にお互いを承認しあえる文化になっているか?”について、主担当である社員は改めて本質を問います。もちろん、この企画だけでは果たし得ないことだと理解しつつも、もっと深く、強く心を動かすことはできないか、と、これからも企画運営メンバーの模索は続きそうです。
社内の課題に真摯に向き合い、社員一人ひとりが自分事として企画や制度を創っていく。その様は、まさに”RELATIONSらしさ”であり、自律的な社員の動きの一つであるといえそうです。
RE:TRAVELの今後のブラッシュアップに期待し、その進捗を引き続きお伝えしていければと思います。
(執筆:RELATIONS広報パートナー 川口 塔子/編集:斉藤 里菜)