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一人ひとりの情熱から動くことで、組織はもっとダイナミックになれる。ソース原理の源流に触れて得た示唆

こんにちは、RELATIONSの広報です。
今年の7月、ソース原理のセミナーと進化型組織への訪問を目的に、代表の長谷川と社員3名で、2週間ほどヨーロッパに滞在してきました。

数々の学びのなかでも、個々人がソース原理の源流に触れることで得たインパクトは非常に大きく、代表の長谷川も経験したことをnoteで赤裸々に語ってくれています。

ソース原理とは
イギリス人のピーター・カーニック氏が提唱した原理。Source principle(ソース原理)とは、人のあらゆる活動において「特別な役割を担う1人」がいるという考え方です。提唱者であるPeter Koenigは、この1人のことをsource(ソース)と呼んでいます。(詳しくは令三社HPをご覧ください)

ソース原理を解説した書籍『すべては1人から始まる』は日本の人事部「HRアワード2023」に入賞するなど、その知見は世の中に広まりつつあります。

今回のnoteでは、ソース原理ワークを通してRELATIONSメンバーが感じたことを元に、組織を活性化させるために大切なことをご紹介します。社員一人ひとりがいきいきと働き、可能性を最大限に引き出すためのヒントを知りたい人事やマネジメント層の方の参考になれば幸いです。

スイスで堪能した濃密な4日間

今回受けたソース原理ワークは、講義とワークショップを組み合わせた計4日間のプログラムです。スイスの自然を感じながら、提唱者のピーター氏とサブソースであるステファン氏から直接レクチャーを受けられる貴重な機会で、弊社以外の日本企業の経営者の方々も参加しています。

写真左の白髪男性がピーター氏、中央がステファン氏

4日間を通して、The Source Journey(ソースの旅)と題された7つのステップに従って、ソース原理を深めていきました。

左が「The Source Journey」(ソースの旅)の内容

壮大な自然のなかで、自分のソースとつながるためのヒントを見出す「取り戻しワーク」をグループで体験したり、内面を言語化するワークをしたり、自己探究する時間が多くありました。

3日目、La Berraという山の上での取り戻しワーク

源流に触れ感じた、自社の”未知なる可能性”

RELATIONSメンバーは以前からソース原理についてセミナー等で基本概念を学んでいましたが、提唱者からその本質と奥深さを学び、個人と組織を振り返る良い機会にもなりました。

まず感じたのは、「ソースと人材配置」の一致性が高まると、組織はもっとパワフルになれるという気づき。

The Source Journeyのワークの1つで、”ソースマッピング”という個人ワークがありました。このワークは、自分が所属する組織において、「主要な業務領域や事業のソース役は誰か?」を明らかにして、図に落とし込んでいくワークです。
実際に描いてみたところ、参加メンバー全員が「実際の組織図での配置と、ソースマッピングの配置には、ズレがある」という気づきに至ります。
RELATIONSはホラクラシー(自律分散型組織)に沿って運営しており、会社の存在目的に沿って役割を構造化しています。
この構造がソースマッピングと一致しておらず、1つ1つの事業やプロジェクトを見たときも、それを推進する人が「必ずしもソース役ではない」という驚きがあったのです。

実際のRELATIONSの組織図

私たちは日々活動するとき、構造(組織図等)が私達の無意識に影響します。この時に、ソースマッピングを用いて、「誰がソースなのか」を特定し、そのソース役が自覚をもって、ビジョンやバリューを明示したらどうなるでしょうか?
おそらく事業・組織の日々の活動に十分なエネルギーが流れ始め、一人ひとりがもっと情熱や創造性を発揮して、組織がもっとダイナミックに動いていくと思います。

ソースマッピングのイメージ図


立ち上がったのは「組織のなかで、自分のソースは何か?」という問い。

個人に焦点を当てたワークでは、人生の中で本当に創造的なエネルギーを注ぎたいことは何か?と内省を深める時間が多くありました。そのなかで、参加した創業メンバーの一人には、このような感情が生まれていました。

これまで、RELATIONSのしたいこと = 自分のしたいこと、という認識でいた。代表である長谷川さんが会社のソースとして存在しているが、「では、自分は組織のなかで何のソース(またはサブソース)を引き受けているのか?」と問われると不明瞭で。
探究していきたいという想いと同時に、創業からここまでがんばってきたのに、何のソースも引き受けられていないのではないか?一体何をしてきたんだろう。という寂しさも感じていた。

ソース原理では、「誰もが人生のソースである」と言います。
RELATIONSは共同創業という成り立ちも影響しているのか、”みんなで決める”という意識が強く芽生えやすい傾向があります。なにか意思決定する際には、”私たちが決めた”という認知になりがちです。
しかし、”私たちが決めた”ではなく、”自分が決めた”という意識を各自がもてるようになると、物事がよりダイナミックに進むのだと思います。実際に、メンバーが意思をもって動いているチームプロジェクトや協働では、強い共鳴が生まれやすくなっています。

自分のソースを明らかにし、その上で”自らこの場所を選択している”という認知をもつことの重要さを感じました。

一人ひとりの情熱がどこにあるのか、見つめてみよう

組織に属している個人が、”人生の中で本当に創造的なエネルギーを注ぎたいことは何か?”を明確にすること。そして、それに基づいて行動できることで、集合体としてのダイナミクスさはより引き出されていくのだという学びが、今回のワークを通じて深まりました。

組織の形態や成熟度、柔軟性の度合いによって活用場面は異なると想定されますが、どんな組織であれ一人ひとりが自分のソースとつながりやすくなる環境をつくっておくことには意義があります。
プロジェクトチームの組成や人事配置を検討する際に最適な判断を助けるほか、メンバーの新しいチャレンジを後押しすることもできるでしょう。

そのためには、内省を深めるきっかけを提供することが第一歩なのだと感じます。人事やマネジメント層からメンバーへ、以下のような問いを意識的に投げかけると効果的なのではないかと思いました。

・あなたが情熱を持って遂行できる領域・役割はどこにある?
・自分はこの組織の中で、何のソースを担っているのか?
・あなたは会社のなかでどんなソースを担っていきたい?

最後に、RELATIONSが実践している一例をご紹介します。
以前は各コンサルタントの担当案件を、マネジメント層にあたるメンバーたちが相談して決める方式をとっていました。しかし、現在ではすべての案件について、アサインの手挙げ制をとるようにしています。
契約に合意した顧客の現状や課題感、先方からの期待値等を、営業担当から全社会議の場で共有してもらった上で、全コンサルタントにアンケートをとります。立候補する理由・しない理由を各自が明瞭にした上で、最終的なアサインが確定する流れです。
実際、その形式で進んでいる案件は、より経営層も現場も巻き込んだ”生命力あふれる”支援が実現できるようになってきています。
この手挙げ制の背景にも、ソース原理が関係しています。今後もヨーロッパで得たソース原理の知見を用いて、さらに担当案件が生命力あふれるように洗練されていくと思います。

いずれは顧客にも届けたい。ソース原理の探究はつづく

今回ご紹介したことは、学びから得たことのほんの一部です。そして、私たち自身、まだまだ理解しきれていない部分もあります。

今後はさらにソース原理の理解を深めるために、ヨーロッパに行ったメンバーが中心となり、社員向けのソース原理セミナーの座学とワークを複数回に分けて行う予定です。

そして、いまはまだ模索中ではありますが、将来的にはぜひソース原理の要素を顧客先の支援でも取り入れていきたいと考えています。

これからも、経営者が、そして社員一人ひとりが”自分のソース”をもとに、いきいきと働くことのできる世界を目指してーーー。


▼ 今回のnoteでは触れておりませんが、ヨーロッパで得た進化型組織の学びについては、計3回のオンラインのイベントでお話する予定です。すでに1~2回目は終えておりますが、ご興味がございましたら9月19日に実施する第3回目のイベントでぜひお待ちしております。

(執筆: 斉藤 里菜/編集:廣瀬 信太郎)