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社長と社員の想いで振り返るRELATIONS【前編】2009年〜2021年 希望と混乱の中で

私たちRELATIONSの歴史をたどる時、これから先もずっと、「RE:START(リスタート)」という節目を忘れることはないでしょう。
2021年1月、代表の長谷川により掲げられた「RE:START」というプロジェクトは、会社の根っこにある思想を大切にし、抜本的に会社をアップデートしていく目的で、半年間にわたって実施しました。

実施したことは、ひとことでいうと徹底的な「対話」。この期間で大きく変化したのは、RELATIONSに “対話の文化”が生まれたことです。それまで表層で扱ってきたホラクラシー等の仕組みがうまくいかなかったことについて、

① パーパスへの共鳴がないこと
② 共鳴するために必要な個人の情熱(衝動)が不明瞭なこと

 RELATIONS note
真の自律分散型組織へ。RELATIONSが実践したパラダイムシフトの全容

という2つの大きな課題を明らかにして、個人の内面に目を向けることを始めました。
では、“なぜRELATIONSが、RE:STARTに至ったのか?”
本記事では、RE:START前後のことについて、社内の声をもとに整理してお伝えしていきます。


鍵をにぎるRELATIONSのパーパスの変遷

▶2011年〜2016年 「b++(ビープラス)」 : 事業を多角化

2009年に創業したRELATIONSは、創業当時から社会貢献への意識が強く、創業翌年に掲げたミッションは「人が地球とともに歩み 豊かさを分かち合える未来を創造する」というものでした。創業から間もなくして、現在の主軸の事業である「コスト最適化コンサルティング事業(Less is Plus)」がスタート。
2011年頃にはミッションを体現する新規事業として自転車シェアリング事業COGOOが生まれ、RELATIONSはここから、世の中にあるマイナスをプラスに転換するという意味合いで、「b++(ビープラス)」というミッションを掲げ直しました。それを経て、複数の事業を同時並行的に運営していき、社会課題を解決していくことを目指すようになります。

2014年〜2017年頃までは、メディア事業のSELECK、マネジメント支援事業のWistant、生鮮品取引プラットフォームのみらいマルシェをはじめ、複数の事業が生まれました。
そんな事業が次々と生まれていく一方で、社内では不穏な空気が漂いはじめます。

▶ 顔色を伺う社内の雰囲気。誰も本音は言えない。

創業から一貫して、RELATIONSではコンサル事業が稼ぎ頭となり、新規事業を支えるという構図がありました。既存事業が安定している間に新規事業へ積極的に投資し、事業ポートフォリオを安定化させることを全社方針にしていたからです。
それにより、社員それぞれが立場によって居心地の悪さを感じたり、「他者からの目」を気にしたりする状況が生まれ、気がつけば誰一人として想いや本音が伝えられない組織になっていました。
この頃のことを

個人同士だと仲が良いのに、事業部という看板を背負うと途端に喧嘩になる


と振り返って語る社員もいます。
この本音がいえない状況は、代表の長谷川も同じでした。
業績としては増収増益なのにも関わらず、抱えている社員へ疲弊し、ギスギスしている。

仕事を通じて全員が人生を楽しむことができていない状況が一番嫌だった。こんな会社なら、やっている意味がないと思った。

と、当時のことを長谷川は語っています。
当時は「長谷川さんはなにを考えているかわからない」という社員の声が出てくるほど、長谷川自身が真に実現したいことが、言語化できていなかったといいます。


▶2017年 「ええ会社をつくる」 : 事業ドメインの線引き、事業譲渡へ

そして長谷川の想いを大きく反映する形で見直した、2017年制定の「ええ会社をつくる」というパーパス。これにより結果として、会社で「やること」「やらないこと」という事業領域を明確に線引きすることになりました。
その後対話の末、“パーパスから外れている”ということから生鮮品取引プラットフォーム事業の「みらいマルシェ」を事業譲渡という形で会社から手放していきます。

この頃のことを「寂しい」と思う長谷川の想いがある一方で、独立していくメンバーは、

”社内の理解を得るためには、成果をどう説明しよう?”と顔色を伺うことなく、これですべてのパワーを事業と顧客に注げる。

RELATIONS note
社内ベンチャーからの独立。「共進化」しつづける存在であるために【対談】みらいマルシェ

と思ったと言います。

衝突と葛藤の日々。 RE:STARTに向けて

▶ パーパスを変更したが、社内のズレは埋まらない

会社の方向性は定めたものの、依然として事業間の壁は高くそびえ立ち、本音を言い合えない関係性に変わりありませんでした。RELATIONSの特徴でもあった「自分事として捉える”自責思考”」が悪い方向に働いている状態で、自律的な社員が本当の意味で活躍する仕組みづくりが急務となりました。

▶2019年 自律分散型組織を目指して「ホラクラシー」を導入

上記の課題解決法として、2018年に人事評価制度を刷新し、2019年には「ホラクラシー」の導入を進めます。

いわゆる、ヒエラルキー組織からの脱却を目指したもので、従来の組織が持つ意思決定や権限などの「力の構造」を再定義することが目的とされていました。
ところが、この仕組みは当時の組織においては、そう簡単に馴染むものではありませんでした。特に、コンサル事業部からの声を拾ってみると

・ホラクラシーを導入する意味が、あまりよくわかっていなかった。
・ホラクラシーは形ばかりで、MTGの際は煩わしさを感じた。
・導入を推し進める人と、受け身の人とがいて、理解が浸透していかない印象だった。

という言葉が、当時を振り返って出てきます。
その結果「なぜ、ホラクラシーが浸透しないのか」について、創業メンバーが徹底的に向き合うことになります。

▶創業メンバーで「システムコーチング」を受け、本音を明らかにする

2020年、この頃たまたまご縁があった「システムコーチング」を創業メンバーで受けることになります。システムコーチングは、構成メンバー間の関係性(システムの内面)に焦点をあてて、ワークや対話をしていくコーチングです。 長谷川は、その時のことをこう語ります。

創業からずっと様々な議論をしてきた間柄であったにも関わらず、深いレベルでの本心を言えない部分があったんだなという衝撃がありました。私自身の課題でもありますが、どこか踏み込んで相手を理解していくことへの怖さや恐れがあったように思います。

RELATIONS note 
SELECK、WistantのEBO(従業員への事業譲渡)と、RELATIONSの未来について

また、RELATIONSが共同創業という形をとったことについても、少なからず影響があったと長谷川は語っています。

共同創業というRELATIONSの創業形式も影響しているのだと感じます。
一緒に創業した一人ひとりが会社に対して想いを宿していて、根っこではつながり合っている。ただ、具体的な事業方針となると意見が異なることも出てきて、人のつながりを重視しようとすると矛盾が生じて。

根っこが絡まり合い、価値観が完全には擦り合っていない中、それでも先へ先へと進もうとして苦しかった。

RELATIONS note
社内ベンチャーからの独立。「共進化」しつづける存在であるために【対談】みらいマルシェ

▶その頃、社員は? 生じる軋轢

創業メンバーが本音を言い合う場に、社員たちもオンラインで同席する機会があり、創業メンバーと自分たちの想いが異なることに困惑し、怒りや悲しみを感じる社員も多くいました。また、同時期にRELATIONSはオフィスを撤廃し、WeWorkに拠点を持ちつつも、社員全員がフルリモートに移行していきます。時代はコロナ真っ只中。
各自、動き方も変わり、コンサル事業部では、完全リモートでのコスト改善事業プロジェクトも動き始め、目の前の業務に追われて、なかなかこの事態を自分事にできないメンバーもいました。

一方では、体調不良を抱える社員も多くいて、社員同士では話をしたくないという気持ちがあったと語る社員もいます。

▶2021年、代表の長谷川によって「RE:START」が掲げられる

その後、長谷川は「RE:START」というプロジェクトを立ち上げます。この一連のプロジェクトの中には、パーパスの変更、ストラテジーを新たに定めることに加え、今まで育ててきたメディア事業の「SELECK」、マネジメント支援事業の「Wistant」という2つの事業の事業譲渡をするという大きな意志決定もありました。


この決定によって、会社は”今までの会社とは別物のように”大きく変わっていきます。

そんな変わりゆく組織の中で、社員が抱えていたことは?
また、RE:STARTの全貌については、【後編】に続きます。
ぜひ、ご覧ください。


(執筆:RELATIONS広報パートナー 川口 塔子/編集:斉藤 里菜)