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真の自律分散型組織へ。RELATIONSが実践したパラダイムシフトの全容

こんにちは、RELATIONSの広報です。

今回はRELATIONSが歩んできた組織の変遷について、パラダイムシフトを軸にお話します。

従来の組織運営から自律分散型への移行で起きた”意思決定や権限などの力の構造の再定義”は、まさに地動説から天動説への転換に匹敵する大きなパラダイムシフトを必要としました。ホラクラシーの導入から現在まで、本当の意味での組織変革を実現するためにRELATIONSが挑戦してきたプロセスについてお話します。


経営の根底にある想い

現在ではコスト最適化コンサルティング「Less is Plus」を主事業としているRELATIONSですが、2009年の創業当時は、なんと事業として存在していませんでした。ベンチャー・リンク社時代に責任者をしていた鈑金修理のフランチャイズ事業を受け継ぎ、起業を決意したのがきっかけだったのです。

▼詳しい当時の経緯は、長谷川の自己紹介noteに綴っています。

一般的に、ほとんどの起業家は事業ありきであると言われるそうですが、RELATIONSは関係性ありきの起業をしているのが特徴です。そこには、代表・長谷川が大切にする2つの想いがありました。

① 目の前のお客さまに喜んでほしい

ご縁があって巡り合わせたお客さまが困っているのであれば、徹底した調査で課題特定し、一緒に解決していきたい。本当に役に立つ伴走支援で成果を出し、喜んでいただきたい。というピュアな想いが根底にはあります。
事業の種は、お客さまが抱えている課題にあるはずだ。という思想のもと、創業時もベンチャー・リンク時代のお客さまの支援を継続することに迷いはありませんでした。

② 仲間とともに幸せになりたい

RELATIONSは、ベンチャー・リンク時代の仲間たち8人で共同創業したというのも大きな特徴と言えます。
創業を決意したときは主事業がありませんでしたが、会社という適切な場をつくれば、自ずと事業や組織は良い方向に立ち上がるだろう、と長谷川は確信していたそうです。仲間たち一人ひとりが情熱にもとづいて事業を創り、幸せを感じられるような、自律分散的な組織にしていきたいという想いは当時から持っていました。

しかし、理想とした健全な自律分散型の組織をすぐに作ることができた訳ではありません。2015年ごろには9名から50名にまで社員が増え、個々の「やりたい」を受容した結果、新規事業が5~6つ並走し、いつからか会社としての推進力を失うことに。
結果、「ええ会社をつくる」という新しいパーパスを策定し、2017~2018年には、BtoBの事業以外をカーブアウトするという苦渋の決断をしました。

▼当時の葛藤はこちらにも詳しく書いています。

RELATIONSが本来描きたい自律分散の形を実現するには・・・
その手段として、2019年にトライしたのがホラクラシーの導入でした。

ホラクラシーの導入だけでは組織変革できない!?内面の欠落が投影したもの

実はRELATIONSは2017年ごろから徐々に権限移譲をしはじめ、組織のフラット化を目指して動いていましたが、都合の良い解釈や学習棄却の問題など、規律なき自由な状態となり、衝突や反発、様々な業務上の混乱や問題が生じました。さらに組織運営の根底にある、意思決定や権限という「力の構造」の課題が露呈しました。
そこで課題解決を図るために導入したのが、ホラクラシー憲章に則った組織運営でした。

管理ツール「Holaspirit」の導入
● 社内でのホラクラシー勉強会
● 役職の撤廃、部署のサークル化

など、知識を身につけた上で、仕組みを全社で徹底化。
しかし実際には、誰でも組織構造を変える起案ができるプロセスがあるにもかかわらず、一部のメンバーだけ構造を相談し、上意下達的に決定するなど、構造と実態の不整合さが目立ち、仕組みが形骸化しているサークルもありました。

コンサルティング、SaaS、自社メディア事業の3つの柱で動いていましたが、ホラクラシーに対する理解度は個人差が大きく、特にコンサルティングの中核を担うメンバーには共感を得られていない状態だったのです。

ケン・ウィルバー『インテグラル理論』を引用

ホラクラシーを2019年に導入したころは、上記4象限の考え方はしていませんでしたが、いま振り返ると、図の右下で示している「集団の外面 = 組織構造や仕組み」の部分さえつくり変えれば、組織のフラット化や自律分散的な動きは自然と促されるだろうと考えていたのかもしれません。

社員のなかには、ロール(役割)だけで仕切られて、これまで大切にしていたソウルを切り離されたような感覚になった人もいたように思います。

本当の意味で組織改革を行い、社員が自律分散的に働くためには、権限移譲や”人と役割”を分けること以外にも不可欠な要素 = 集団の内面を扱うこと があるのかもしれない。と、徐々に気づき始めるのです。

対話によって組織の輪郭が明確に。関係性を扱うことの重要性

集団の外面を整えることに加え、内面を扱うことが組織変革には必要だと確信を得たきっかけは、創業メンバーでシステムコーチングを受けたことでした。これが、「ありたい姿に近づくために、一人ひとりが自分の衝動(情熱)につながることができているのか?」ということを自分たち自身に問い直すタイミングとなりました。
2021年にSaaSと自社メディアの事業をEBOする流れも、代表・長谷川自身が衝動に声を傾け、それを突き詰めていきたいという願いから生まれたアクションです。

上記の出来事を皮切りに、社員それぞれの組織パーパスや方針に対する理解度がバラバラで、かつ、一人ひとりが自分の内なる声(情熱や衝動)を聞けていない状態であることを改めて認識し、「集団の内面」を整えるべく、そこから本気の組織変革に動き出しました。

課題は2つ。
・パーパスへの共鳴がないこと
・共鳴するために必要な個人の情熱(衝動)が不明瞭なこと

まずは、代表・長谷川が舵取りをし、「RE:START」という対話を通じてパーパスへ共鳴できる組織を目指す動きをとりました。

4ヶ月に渡り、通常の業務では掘り下げられない領域の対話を重層的に繰り返し実施していくことで、お互いの枠組みやメンタルモデルを共有し、組織文化の土壌を豊かにする試みです。この流れで会社の変遷を辿る全社合宿も開催し、現在の対話文化、合宿文化の原型が作られていきました。

同時にティール組織など、進化型組織についても学びを開始し、意識的にアンラーニングをしたメンバーもいます。
この段階ではまだ、対話に拒否反応を示す社員がいたことも事実ですが、それを含め、「私たちは何者なのか?」「なぜRELATIONSに所属しているのか」を各自が見つめ、パーパスアラインメントを高める大きなきっかけとなったことは確かです。

▼RE:STARTの詳しい内容はこちら

同時にブランディングのプロジェクトも開始し、ロゴやパーパスを刷新しました。”対話疲れ”というワードが社内で出るほど、何度も対話を重ねた末、「会社に生命力を」というパーパスが誕生し、このあたりから組織の推進力がグッと高まり始めた感覚があります。

▼詳しいストーリーはこちら

月2回の全社会議は、一方的に情報共有する場から、対話型にシフトされ、主体性を持った動きが活発化しました。

真の自律分散をうながす施策と、その結論

RELATIONSがこれまで行ってきた「真の自律分散型組織」を実現するための取り組みは、まとめると以下の図のような形になります。

木のメタファーで捉えると、下半分(茶色)が根っこと土壌を示し、上半分(緑色)が地上に見えている幹や枝、葉の部分です。

木として表層に見えている部分だけではなく、関係性という見えない土壌部分も両軸で丁寧に扱うことで、本当の意味での「力の構造の変化」=パラダイムシフトを起こすことができたのだと感じます。

コーチングの有資格社員が、「社内コーチロール」として個人の変容を助ける場面も多く見受けられ、個の内面を深めるという領域も活性化しています。

個々人が自分の衝動につながっているからこそ、目標の解像度が上がり、挑戦したいことも明確になります。
そのため現在では、お客様案件の担当コンサルタントや、社内プロジェクト担当者は、手挙げ制で決定する仕組みになりました。
情熱をもって活き活きと働くことができ、「ほんとに仕事が楽しい!!」という社員からの声もよく聴くようになりました。

今後は、パーパス実現を加速させるためにも、自社で行ってきた組織の探求をメソッド化し、「生命力経営」として多くの企業に広めていこうという動きが出てきています。

社内と社外の境界線を曖昧に。生命力を伝播させる、次なるアクション

自社を実験場として組織活性化の取り組みを探求するRELATIONS。その次世代型組織をつくりだそうという姿勢は、徐々に社会でも評価されつつあります。

▼ 雑誌Forbes JAPAN 2023年5月号『最高の働き方を探せ!』にて「分散型組織を自社に取り入れることに成功している企業」としてインタビュー掲載

▼ 第9回ホワイト企業大賞にて、特別賞【次世代パーパス経営賞】を受賞


評価され始めた背景には、管理主義・機械論的な経営が限界を迎えていることにあるのではないかと考えます。

「人的資本経営」が注目を集めているように、労働人口の減少により、資源としての人の価値は高まり続けています。時代に適応しつつ、一人ひとりの価値を最大限に発揮するためには、人の可能性発揮を阻害する関係性や、力の構造を変える必要があります。そこにアプローチする本質的な経営の課題解決方法をとることで、よりよい社会の実現を目指すことができるのではないでしょうか。

いきいきと働く人を増やしたい。それに共感してくださる方たちと、共創の輪を広げるためのアクションを取っています。

▼ 良い組織を探求する外部の方々とのイベント開催。

▼ 毎月好評いただいている社内ミーティングの見学ツアー。知識ではなく体験していただくことに価値があります。

さらに今後は、日本に留まらず、最先端のヨーロッパの進化型組織を視察する予定です。新たな知見や経験を日本に持ち帰ることで、自社での実践の幅を広げ、支援にも役立てていきます。

パーパス「会社に生命力を」の実現に向けたRELATIONSのチャレンジはまだ道半ば。これからも挑戦はつづきます!

To be continued・・・

(執筆/編集:斉藤 里菜)

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